#48.「天然」ってどこまで本当?食卓は人工でできていた
#48

#48.「天然」ってどこまで本当?食卓は人工でできていた

2026年3月5日47分
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TT
TT農学ガチ勢農学修士。その後サラリーマン研究員として農と食と戯れる。Podcastはほとんど聴いてこなかったが、農食ラジオを始めてからは沼にハマり中。
ゆと
ゆと農学ビギナー大学院まで物理を学んだ工学修士。新卒はベネッセで進研ゼミづくり。その後ITに軸足を移し、今は音声コンテンツに夢中。まなびガチ勢。
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何気なく使っている「人工」という言葉。まさか、農作物の品種改良の歴史に、これほど深く関わっているとは、収録後の今も驚きが隠せない。

「人工」って、まさか農作物の進化にも当てはまるってこと!?

「人工」と聞くと、AIや人工芝のような無機質なものを想像しがちだけど、まさか農作物の進化にも「人工」の定義が当てはまるなんて、収録後の今も驚きが隠せない。

TT
TT
「人工とは、自然の事物や現象に人間が手を加えること。また、人間の手で自然と同じようなものを作り出したり、自然と同じような現象を起こさせたりすること。」
ゆと
ゆと
「入ってきたような、入ってこないような……」
TT
TT
「まあ、自然に手を加えたものが人工であるってことだよね。」
ゆと
ゆと
「自然に手を加えたもの。なんか天然芝、人工芝みたいな方はイメージが自然っぽい。確かに。」
TT
TT
「自然を真似したやつだね。今日は農作物の進化における人工的な部分をちょっと喋っていこうかなと。」
ゆと
ゆと
「農作物だけど、人の手が加えられた進化みたいな。」

6000年前のトウモロコシは、まさかの「粒が12粒」だった!?

今日のテーマである「人工」の対極にある「自然」の農作物は、一体どんな姿だったんだろう? TTさんの話を聞いて、想像をはるかに超える昔のトウモロコシの姿に驚きを隠せなかった。

TT
TT
「当時、どんなトウモロコシがどんな特徴があったかというと、多分、6000年前くらい。その頃だと、トウモロコシだと、まずあのひと房あるでしょ? あれに、*粒が12粒しかなかったりとか。*」
ゆと
ゆと
「ええ!? それって、形どうなってんの笑」
TT
TT
「粒がポロポロ落ちると。植物サマにとっては、ちゃんと土の上に落ちてくれないと次の世代に行けないわけだから。
ゆと
ゆと
「あ、そこが種でもあるってことか。子孫繁栄だ。
TT
TT
「そう。」

自然界の進化は千年単位!?「放射線照射」で品種改良が一気に加速

自然の力だけに任せていたら、スイカの苦味が消えるまでに千年、トウモロコシの粒が増えるまでに千年。そんな気の遠くなるような進化のスピードを、人間はどうやって加速させたんだろう?

TT
TT
「自然界の進化だと、めちゃくちゃ時間がかかるってのが今分かったんだけど。人間的にはそのスピードを早めたいじゃないですか。」
ゆと
ゆと
「はい。千年生きれないもんね。」
TT
TT
「そうそう。なので、それを高速でやるために、人工的に突然変異を起こすっていう技術が発達してきてます。」
ゆと
ゆと
「人工的に突然変異。え、さっきの5万個みたいなやつを全部ちょっとずつ?」
TT
TT
「そう、全部にちょっとずつ変化を与えるっていうのができまして。しかも結構、放射線照射っていう技術。すべての遺伝子に一箇所以上の変異を入れるみたいな技術が1950年に誕生しました。」
ゆと
ゆと
え、すごい

放射線照射の「ランダム性」を克服!ゲノム編集が狙い撃ちで遺伝子を変える時代へ

放射線照射で品種改良のスピードは格段に上がったものの、そのランダム性ゆえに余計な部分まで変わってしまうという課題があった。しかし、さらに進化した技術「ゲノム編集」は、その課題をどう解決したんだろう?

TT
TT
「放射線照射の問題点は、そのランダム性ゆえに、好ましくない箇所にも突然変異が起こってしまって、それを消す作業が発生するという。それで十年かかっちゃうみたいな。」
ゆと
ゆと
「トータルでね。」
TT
TT
「なので、このゲノム編集は、狙ったところに狙った遺伝子に突然変異を起こすことができると。」
ゆと
ゆと
やばいよね。」
TT
TT
「そう、それは遺伝子情報で、さっきなんか文章みたいに言ってたけど、その文章。まあ実際文字列だから、例えばATGT ACCGみたいなで、という文章の末尾を切ってくださいとか末尾の一文字を変えてくださいみたいな指定ができて。」
ゆと
ゆと
「すごい。」

ゲノム編集の秘密は「結婚相談所」!?狙った遺伝子をピンポイントで変える仕組み

ゲノム編集が狙った遺伝子だけをピンポイントで変えられるのはすごいけど、一体どうやって「狙い」を定めているんだろう? TTさんが教えてくれた「結婚相談所」の例え話が、その複雑な仕組みを驚くほど分かりやすくしてくれた。

TT
TT
「このゲノム編集に効果的に入れることって二つポイントがあって。ちゃんとその、この遺伝子消したいなって思った時に、例えばスイカの苦くなる遺伝子を壊したいな、機能させなくしたいなって思った時に、そのスイカが苦くなる遺伝子がどういう文字列で構成されているかっていうのが分かってないと狙いようがないじゃないですか?」
ゆと
ゆと
「狙ったとて、あ、これじゃないか、みたいな。」
TT
TT
「そうそう。だから変な誘いだけどさ、じゃあ結婚したいなと思った時にさ、結婚したいって思っても結婚できないじゃん。」
ゆと
ゆと
「確かに。」
TT
TT
「でもさ、例えばなんか、よく見かけるこの人みたいな情報があったりとかさ、LINE知ってる、メールアドレス知ってるってか、連絡先知らないと当たっていけないじゃないですか、まず。」
ゆと
ゆと
「確かに。」
TT
TT
「そう。だからその連絡先をリスト化した人。そういうやつがその、だから結婚相談所偉いみたいなさ。」
ゆと
ゆと
「そっちか!いや、なんか自分の連絡先をこうリストと言ってんのかと思って。」

「天然」信仰は危険!?もし「人工」がなかったら、お米5kgが「1万円」超えの高級品に

「天然」や「自然」という言葉に良いイメージを抱きがちな私たちだけど、実は私たちの豊かな食生活は「人工」の技術に支えられている。もし、それらの技術がなかったら、一体どうなってしまうんだろう?

TT
TT
「天然とか自然とか言った方が受けはいいんだけど、自分、一消費者としてもね、そっち選びたくなるんだけど。だけど、その裏にある人工っていうものがね、だいぶ食産業を支えてますから。」
ゆと
ゆと
「うん。」
TT
TT
「化学肥料も人工的なものだし、農薬とかも人工的なものじゃないですか。で、仮にこれらがなかったらさ、今スーパーでお米いくらで売ってんだろうみたいな。」
ゆと
ゆと
「確かにそうそうそう。」
TT
TT
「多分5キロで1万円は超えるんだろうなと思ってるけど。」
ゆと
ゆと
「高級品だ。」

「天然」の先にある「人工」の恩恵:これからは「人工に感謝」する時代

「天然」や「自然」が良いものだとされがちな現代において、TTさんが最後に語ってくれた「人工に感謝する」という言葉が、今回のテーマを深く理解する上でとても響いた。

TT
TT
「俺は自然とか天然っていいよねっていうのは思いつつも、人工に感謝するっていうのが、一番ニュートラルな考え方で。」
ゆと
ゆと
「人工に感謝。」
TT
TT
「生成AIが人工知能さんが進化しすぎて、ちょっと人工に感謝感は、近年みんなも増えてるかもしれない。」
ゆと
ゆと
「あぁ、なるほど。昔よりAI、ありがとうございます。」

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